空腹時血糖値にこだわるべき理由は?
1型糖尿病患者さんにとって朝食前の血糖値(=空腹時血糖値)はとても大切です。(これは2型の人にもいえることですが)
空腹時血糖値が良好(100~110mg/dL以下)だとインスリンの効きがよくなるため、朝だけでなく一日の血糖が安定することが多いです。
従って、特にHbA1cが高めの患者さんの場合、まずは空腹時血糖を安定させることに重点を置いて治療するのがよいと思います。
夜中に運動すればいい?


空腹時血糖値を上げないためにできること(ペン型インスリンユーザー編)
インスリン注射で治療中の1型糖尿病患者さんで空腹時血糖値を良好に保つためにできることは
おもにこの3つです。
→基本ですが眠前補正はめちゃくちゃ大切です。
摂取した脂質により食後3時間を過ぎてから血糖値が上がってきます。
焼肉やカレーなどの翌朝の血糖が高くなるのもこれが原因ですね。この対策は…
☆油脂対策のための中間型インスリンか速効型インスリンを夕食時に注射する(超速効型とは別に)。
☆食後3時間を過ぎてから、血糖値が上がり始めるタイミングでもう一度超速効型インスリンを少しだけ打つ。
基礎インスリン(持続型インスリン)にはトレシーバ(デグルデク)、ランタスXR、グラルギン、レベミル(デテミル)があります。
それぞれ作用時間が異なるため(トレシーバ>ランタスXR>グラルギン≧レベミル)、製剤により血糖値のパターンは結構変わってきます。
なお、どのインスリンも注射してから12時間以内がよく効きますが、作用時間が短いほどその山が大きくなります。
夜間から朝にかけての血糖値のベクトルが水平、すなわち眠前と翌朝の血糖値が同じくらいになるのを目標として、持続型インスリンの量と注射タイミングを調整していきます。
朝4~6時頃もしくは起床時に、超速効型インスリン0.5~1単位を注射すると明け方の血糖上昇が抑えられます。
ちょっと大変なのですが、時に絶大な効果を発揮します。
