インスリンポンプの注入セット、何日で交換していますか?
インスリンポンプの注入セット交換は2日~3日毎に行うことが推奨されていますが、交換って結構面倒ですよね..
ただし、交換タイミングが遅れることによるデメリットはいくつかあります。
①血糖値が少しずつ上がってくる。
交換後3日を過ぎるとほぼすべての患者さんで血糖値が全体的に上がってきます。早い人では装着後2日を過ぎると上がってきます。
②装着部位のトラブルが増える。
装着部位の皮膚や皮下が硬くなったり、炎症が起きやすくなります。
今日は、その問いに対して調べられた研究をご紹介します!
4日毎の注入セット交換では血糖コントロール悪化、皮膚トラブルも増加する
1型糖尿病の方25人を対象に行われたクロスオーバー研究です。
患者さんをランダムに2つのグループに分けて、
1つ目のグループの人たちは、最初の3ヶ月間は2日おきに注入セット交換を行い、少し期間を空けたのちに(Washout後に)、次の 3ヶ月間は4日おきに注入セット交換を行いました。
2つ目のグループの人たちは、最初の3ヶ月間は4日おきに注入セット交換を行い、少し期間を空けたのちに(Washout後に)次の3ヶ月間は2日おきに注入セット交換を行いました。
4日毎に交換した場合と2日毎に交換した場合で、各期間における血糖値や各種トラブルの回数が比較されました(下図)。
(※低血糖、高血糖は、患者さんの血糖自己測定データが用いられました)

ちなみにこの報告によると、注入セットのトラブルで多いのはチューブ、ソフトカニューレ(皮下に入っている部分)の閉塞や曲がりとのことででした。
また、筋膜にカニューレ(皮下に入っている部分)が達してしまうと閉塞や曲がりが起きやすい可能性があるので、痩せている方ではカニューレを直角に挿入しないほうがいいと記載されていました。(シルエットの出番ですね。)
ポンプ装着後48時間経過すると血糖値は少しずつ上昇する
さらに、ポンプ装着後(注入セットを交換後)何日目から血糖値が上がってくるのか調べた研究もありました!
こちらは20人の1型糖尿病の方を対象とした研究です。
対象者にインスリンポンプとCGMを装着して、注入セット交換後の経過日数と血糖値との関係が調べられています。

DAY3、すなわち注入セットの交換を行ってから48時間以降で、もうグルコース値が上がってきています… かなり早いタイミングですね。
注入セットの交換は2-3日以内にしないと、せっかくのポンプの良さが活かされないということですね。