スマートインスリンペン ~何時間前に何単位打ったかを憶えておいてくれるペン~

インスリンを打ったかどうか、何単位打ったか、他のインスリン製剤と取り違えなかったか、不安になることはありませんか?

インスリン治療中の人では、少なくとも1日1回の注射、多い人では1日4回(やそれ以上)の注射を行っていると思います。

「あれっ?そういえば打ったっけ?」
となっちゃうことってないのかな?
まる
まる

Gajigaji Dr
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また、2種類のインスリン製剤を使用している患者さんでは、「違うほうのインスリンを間違えて打っちゃったかな?」と不安になったことがあるかもしれません。

 

実際に、超速効型インスリン5単位と、持続型インスリン15単位を打つところを、間違えて逆に打ってしまった!といって、救急外来に来られる方も時にいらっしゃいます。

これについては、もちろん患者さんが悪いわけではなくて、「インスリン注射」が日々の生活のなかで習慣化されていくほど起こる問題だと思います。

Gajigaji Dr
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この問題を解決できる(かもしれない)ツールがもうすぐ使えるようになりそうです!

スマートインスリンペンは、「いつ」「何単位」打ったかを記憶してくれるペン

「スマートインスリンペン」は、インスリンのカートリッジ(詰め替え用インスリン)をなかに入れて使用する注入器です。

「注入器」とは、詰め替え用のインスリン製剤(カートリッジ)の容器となるものですね。

例えばノボ社のものであれば「ノボペン」、リリー社のものであれば「サビオ」など、色々な注入器があります。

ただし、スマートインスリンペンは注入器としての働きだけでなく画期的な機能を有したデバイスです。

 

このスマートインスリンペンは、「最後の注射単位および最後の注射からの経過時間」を表示してくれる機能と、このデータを血糖管理アプリに転送してくれる機能を持っています。

NFC(近距離無線通信)を用いてデータ転送が行われますので、ペンにスマホをかざせばデータがアプリに送られます。

リブレlink、e-SMBGなどのアプリとは連携可能ですが将来的にはその他いろいろなアプリとも連携できるようになりそうです。

 

ノボノルディスクファーマ社の製品で、2月に製造販売承認申請が行われていますので、年内か来年初めころ?には使用できるようになると思います。

ノボ社のカートリッジ製品が発売されているフィアスプ、ノボラピッド、トレシーバ、レベミル、ノボラピッド30ミックスで、このペンが使用できます。

Gajigaji Dr
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これなら、「打ったかな?」「間違えて打っていないかな?」と不安になったときに、ペンもしくはスマホを確認すればよいですね。

また、スマホの血糖管理アプリにデータが転送されますので、摂取した(入力した)炭水化物量や血糖値、注射単位数などの情報を、ひとつのアプリでまとめて確認できるようになります。

もちろん、かかりつけの医療機関と連携すれば、データを主治医の先生に見てもらうことも可能になります。

また、ポンプユーザーでは画面上で見ることのできる残存インスリン時間(前に打ったインスリンがどれだけ体に残っているか?→これから効くインスリンは何単位くらいか?)などの情報も提供してくれるようになるかもしれません。

単に、打ったインスリン量を確認できるツールではなく、ペンユーザーの自己管理の強力なツールに育っていくかもしれません。

※なお、カートリッジ製剤だけでなく、プレフィルド製剤(使い捨て製剤)にも使用可能なデバイスも今後出てくるという噂です。

Gajigaji Dr
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アプリに、インスリン注射量を手入力して管理していた患者さんの負担も少し軽くなりますね!

 

※スマートインスリンの研究が以前から進められていますが、スマートインスリンペンとは異なりますのでご注意を。